令和4年第二回定例会での私の一般質問の要約です。
- 災害ボランティアセンターの役割と連携強化について
- 公契約条例の制定に向けた効果と課題について
- 誰もが働きやすい職場づくりの推進について
- 池波正太郎生誕100周年記念事業の計画と連携について
災害ボランティアセンターの役割と連携強化について
私の質問
災害ボランティアセンターは、災害後の復興フェーズで重要な役割を果たす拠点であり、社会福祉協議会が設置・運営を担っています。本区では、地域防災計画に基づき、平時から市民活動団体とのネットワーク構築を進めていますが、災害時にセンターが十分に機能するためには、運営体制の強化が求められます。特に設置場所のスペースの狭さや職員が被災者となる可能性など課題も多く、平時からのマニュアル作成や運営訓練が不可欠です。区長のリーダーシップの下、社会福祉協議会との連携強化や支援体制の充実を図るべきと考えますが、ご所見を伺います。
区長答弁
「被災地での多様なニーズに対してきめ細かな対応を行うために、ボランティア活動は重要な役割を担っています。本区では、効果的なボランティア活動を推進する拠点として、災害ボランティアセンターの設置及び運営に関する協定を台東区社会福祉協議会と締結しています。これまで社会福祉協議会では、センター立ち上げ訓練や被災地への職員派遣を通じて運営ノウハウを蓄積するとともに、ボランティアの登録など人材確保を行ってきたところです。災害発生時、区は協定に基づき、災害の規模や状況に応じてセンター設置の要請を行うことから、今年度合同で実施する訓練の中で、ボランティアの受入れスペースやセンター運営に必要な機材などの検討を進めてまいります。今後も、災害時において円滑にボランティア活動ができるよう、社会福祉協議会との連携をさらに深め、災害ボランティアセンターの活動体制の強化を図ってまいります。」
公契約条例の制定に向けた効果と課題について
私の質問
公契約条例は、自治体が発注する公共工事やサービスに従事する労働者の適正な労働条件を確保し、公共サービスの質向上や地域社会の発展に寄与する重要な条例です。台東区でも庁内検討会が設置されましたが、現在まで条例制定には至っていません。一方、条例を制定する自治体は増加しており、一定の効果が見込まれると考えます。区長は公契約条例の効果についてどのように認識しているのか、また条例制定に向けた具体的な検討の進展についてご所見を伺います。
区長答弁
「条例制定の効果については、ダンピング受注の防止や適正な労働環境の整備、区が発注する公共工事や公共サービスの品質の確保などが上げられます。また、区の調達に対する区内事業者の参加機会の拡大など、地域社会の持続的な発展にも資するものであると認識しています。区ではこれまで、庁内の検討会において、他区の事例を共有し、条例の適用範囲や労働報酬の下限など様々な課題の整理を行ってまいりました。また、制定に当たっては区内事業者や労働者団体などの理解が不可欠であることから、順次意見交換を進めているところです。私は、昨今の社会経済情勢の変化等も踏まえ、公契約条例の制定は必要であると考えています。そのため、引き続き関係団体との協議を深めるとともに、運用を含めた諸課題についての具体的な検討を行うなど、条例制定に向けて取り組んでまいります。」
誰もが働きやすい職場づくりの推進について
私の質問
少子高齢化や働き方改革を背景に、多様な働き方が可能な職場環境の整備が求められています。特に病気を抱えた方が治療と仕事を両立できる環境づくりは重要であり、区内事業者からも支援策に関する相談が寄せられています。区では既に専門家による相談支援を実施していますが、認知度が不足している側面もあります。こうした支援の周知と活用を一層進め、事業者の実情に応じたアドバイスを強化することで、働きやすい職場づくりを推進していくべきと考えますが、区長のご所見を伺います。
区長答弁
「病気を抱える従業員のため、治療と仕事の両立ができる職場環境の整備に取り組む事業者を後押ししていくことは、多様な働き方ができる社会の実現を図るために重要な取組であると認識しています。現在、産業振興事業団では、人事・労務管理などに関する経営課題について、ビジネス支援ネットワークを活用した社会保険労務士等の専門家による相談支援を行っているところです。今後、より多くの方に相談の場をご活用いただけるよう、産業情報誌『ネットワークたいとう』やメールマガジン、SNS等でお知らせするとともに、専門コーディネーターによる事業所訪問に際し、きめ細かな情報提供を行い、一層の周知を図ってまいります。引き続き、事業者の実情に応じたアドバイスを行うことで、誰もが働きやすい職場づくりの支援に努めてまいります。」
池波正太郎生誕100周年記念事業の計画と連携について
私の質問
2023年に生誕100周年を迎える池波正太郎氏は、台東区が誇る文豪であり、その業績を広く発信する絶好の機会です。区として記念事業の計画を進めるにあたり、地場産業との連携や記念グッズの作成など新たな事業も検討すべきと考えます。池波正太郎氏の功績をたたえるための具体的な計画について教育長のご所見を伺います。
教育長答弁
「教育委員会では、これまで池波正太郎氏の功績や作品の世界観を広く伝えていくため、池波正太郎記念文庫において池波氏に関わる資料を収集し、保存するとともに、企画展等を実施してまいりました。令和5年は、池波正太郎氏が生誕し、ちょうど100年という節目の年を迎えます。この記念すべき年を好機と捉え、より一層多くの方にその魅力に触れていただけるよう、特別記念講演会や作品の舞台を巡るツアーの企画、周年記念グッズの作成など、新たな事業についても検討し、実施してまいりたいと考えております。教育委員会といたしましては、池波氏の持つ魅力の発信にとどまらず、これらの事業が地域の活性化にもつながるよう、関係部署と一体となって取り組んでまいります。」