令和7年9月17日 子育て・若者支援特別委員会
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案件一覧
- 【区民部】(仮称)こどもの権利条例の制定について
- 【区民部】台東区要保護児童の状況について
- 【健康部】令和6年度母子保健事業の実施状況について
- 【教育委員会】令和8年4月保育所等の利用申請及び保育所入所基準の一部改定について
- 【教育委員会】乳児等通園支援事業(こども誰でも通園制度)について
- 【教育委員会】保育所等における物価高騰への支援について
- 【教育委員会】放課後対策事業運営事業者の選定結果について
- 【教育委員会】令和8年4月こどもクラブの利用申請について
案件第1(第71号議案) 東京都台東区乳児等通園支援事業の設備及び運営の基準に関する条例
概要
児童福祉法改正に伴い、乳児等通園支援事業の「設備および運営の最低基準」を区条例で定めるもの。
対象は区長の監督下にある乳児等通園支援事業(一般型・余裕活用型)。
目的は、明るく衛生的で安全な環境下で、適切な資格・訓練を受けた職員による支援を通じ、乳幼児の心身の健やかな育成を保障すること。
避難訓練(月1回以上)や安全計画の策定・周知、衛生管理、苦情対応窓口の設置などを義務づけ。
設備基準(室面積、調理設備の防火区画、非常警報設備、転落防止設備、防炎カーテン等)および職員配置基準(年齢区分ごとの人員、保育士比率等)を明示。
背景
法改正により自治体が事業の設備・運営基準を整備する必要が生じたため。
最低基準の向上(区・事業者双方の努力義務)や人権尊重・地域連携・自己点検と外部評価の実施など、質の向上と透明性確保を制度として位置づけるため。
期間
施行日:令和7年11月1日。
期待される効果
乳幼児の安全・衛生・人権に配慮した質の高い支援の恒常的提供。
安全計画・避難訓練・苦情対応等の仕組み化による事故・リスク低減と説明責任の強化。
設備・人員の明確基準により事業所間の質の均てん化と継続的改善の促進。
今後のスケジュール
令和7年9月8日:区長より議案提出。
令和7年11月1日:条例施行
理事者報告事項
【区民部】
(仮称)こどもの権利条例の制定について
概要
子供の権利保障に関する基本理念や区の責務を明確にし、施策を総合的かつ計画的に推進することを目的とした条例案。
子供を権利の主体として尊重し、その最善の利益を図ることを基本理念とする。
意見表明や権利擁護など多岐にわたる施策の基本的な視点を一元的に規定。
子供施策の総合的な推進体制を整備する。
背景
日本は平成6年に「児童の権利に関する条約」を批准し、平成28年の児童福祉法改正で子供が権利の主体であることを明記。
令和4年に「こども基本法」が制定され、「こどもまんなか社会」の実現に向けた施策が進められている。
東京都も令和3年に「東京都こども基本条例」を制定し、翌年に「子供政策連携室」を新設。
台東区は令和7年3月に「次世代育成支援計画(第三期)」を策定し、最優先目標に子供の権利保障を掲げた。条例制定はこの計画に基づく取り組み。
期待される効果
子供の健やかな成長に寄与し、権利保障を制度的に担保する。
子供の意見を施策に反映し、権利を尊重する仕組みを整備。
学識経験者や地域団体を含む協議体で意見を聴取することで、透明性・多様性を確保。
今後のスケジュール
令和8年第1回定例会:骨子案及び子供への意見聴取実施概要を報告。
令和8年第3回定例会:子供への意見聴取実施結果を報告。
令和8年10月頃:パブリックコメントの実施。
令和9年第1回定例会:議案提出(特別委員会に報告)。
令和9年4月:条例施行。
台東区要保護児童の状況について
概要
台東区における児童虐待相談や要保護児童数の現状、通報経路、年齢別内訳などをデータで整理。
また、区民啓発事業(里親啓発、講演会、キャンペーン、相談カード配布など)を実施している。
背景
虐待相談件数は依然として多く、身体的虐待・心理的虐待・ネグレクトなどが主な内容。
令和6年度からは、虐待に該当しないケースは「非該当」ではなく「養育困難」に分類する方法へ変更。
要保護児童数は年度ごとに減少傾向にあるが、依然として数百人規模で存在。
数字で見る現状
1. 新規養護相談数(単位:人)
令和3年度:虐待 613、養育困難 522、合計 1,135
令和4年度:虐待 657、養育困難 532、合計 1,189
令和5年度:虐待 506、養育困難 422、合計 928(+都児相通告 127)
令和6年度:虐待 389、養育困難 474、合計 863(+都児相通告 128)
2. 虐待相談の内訳(単位:人)
令和3年度:身体的 151、ネグレクト 56、性的 9、心理的 153 → 小計 369
令和4年度:身体的 178、ネグレクト 83、性的 6、心理的 157 → 小計 424
令和5年度:身体的 179、ネグレクト 81、性的 9、心理的 127 → 小計 396
令和6年度:身体的 166、ネグレクト 66、性的 0、心理的 157 → 小計 389
3. 虐待相談の通報経路(例:令和6年度)
学校・保育園等:116
区役所各課:28
警察:42
保健所:61
医療機関:34
近隣:8
民生・児童委員:39
家族:11
児童本人:0
合計:389
4. 要保護児童数
令和3年度:880人(継続 469、新規 411)、終了 506 → 年度末残 374
令和4年度:846人(継続 374、新規 472)、終了 490 → 年度末残 356
令和5年度:815人(継続 356、新規 459)、終了 534 → 年度末残 281
令和6年度:702人(継続 281、新規 421)、終了 441 → 年度末残 261
5. 年齢別内訳(令和6年度末)
3歳未満:44
3歳~就学前:68
小学生:89
中学生:40
高校年齢:20
合計:261
6. 関係者会議開催回数
令和3年度:関係者会議 44回、緊急受理会議 449回
令和4年度:関係者会議 65回、緊急受理会議 318回
令和5年度:関係者会議 54回、緊急受理会議 365回
令和6年度:関係者会議 38回、緊急受理会議 317回
区民啓発事業
里親啓発
令和6年11月29日:養育家庭体験発表会(参加67名)
令和6年10月6日:下町こどもまつりで啓発(児童412名・保護者約700名)
令和6年11月22日~12月18日:図書館展示(関連書籍51冊、貸出29冊)
講演会
令和6年11月29日:要保護児童支援ネットワーク講演会(講師:児童虐待防止全国ネットワーク副理事長 高祖常子氏、参加67名)
オレンジリボンキャンペーン
令和6年10月28日~11月25日:区役所・生涯学習センターで展示
虐待予防啓発(児童・保護者向け)
電話相談カード配布:小3・中1の児童、小1・中1の保護者対象
出前講座(紙芝居):大正小学校で実施
【健康部】
令和6年度母子保健事業の実施状況について
概要
妊娠期から子育て期にかけて切れ目のない支援を行うことを目的に、伴走型相談支援や産後ケア、支援ヘルパーなどを実施。
妊娠面接・家庭訪問・アンケートを通じて支援が必要な家庭を抽出し、フォローを実施。
利用率やフォロー対象の増加が見られ、支援ニーズの高まりが浮き彫りとなっている。
数字で見る事業実績
1. ゆりかご・たいとう面接(妊娠届出時)
妊娠届出数:令和5年度 1,927件 → 令和6年度 2,001件
面接実施率:98.2% → 96.6%
要フォロー数:181人(9.6%) → 288人(14.9%)
2. 妊娠後期面接
アンケート発送数:1,717人 → 1,791人
回答率:31.9% → 40.5%
面接実施数:137人(8.0%) → 151人(8.4%)
要フォロー数:11人(8.0%) → 16人(10.6%)
3. 乳児家庭全戸訪問
訪問対象者数:1,533人 → 1,578人
実施率:97.5% → 97.0%
要フォロー数:778人(52.1%) → 933人(60.9%)
未実施理由:辞退 0~1人、長期里帰り 7~10人、転出等 25~26人、その他 5~12人
4. バースデーサポート(1歳児家庭アンケート)
送付数:1,135人 → 1,147人
回答率:76.9% → 90.1%
要フォロー数:81人(9.3%) → 168人(16.2%)
産後ケア事業
宿泊型
利用者数:231人 → 399人
延利用数:1,058日 → 1,805日
利用率:15.3% → 24.9%
日帰り型
利用者数:30人 → 36人
延利用数:43日 → 55日
利用率:2.0% → 2.3%
外来型
利用者数:296人 → 297人
延利用数:694回 → 692回
利用率:19.6% → 18.6%
訪問型
利用者数:126人 → 161人
延利用数:247回 → 334回
利用率:8.3% → 10.1%
産前産後支援ヘルパー
単胎世帯
利用世帯数:259世帯 → 338世帯
延利用時間:7,371時間 → 9,548時間
利用率:17.6% → 21.6%
多胎世帯
利用世帯数:23世帯 → 22世帯
延利用時間:1,112時間 → 1,281時間
利用率:47.9% → 50.0%
期待される効果
妊娠・出産・子育ての各段階で早期にリスクを把握し、支援を行うことで虐待予防や安心した子育て環境の構築に寄与。
産後ケアや支援ヘルパーの利用拡大により、母親の心身の負担軽減と育児不安の軽減が期待される。
【教育委員会】
令和8年4月保育所等の利用申請及び保育所入所基準の一部改定について
概要
令和8年4月入園に向けた保育所等の利用申請スケジュールと、入所基準の一部改定について示したもの。
利用調整は一次・二次に分かれ、出生前申請も可能。
保育所入所判定の公正性を高めるため、障害や医療的ケア児への加点を新設。
期間(申請スケジュール)
一次調整
受付期間:令和7年10月2日(木)~11月28日(金)
郵送・オンライン申請締切:11月14日(金)
窓口予約期間:10月10日(金)~11月7日(金)
休日受付:11月9日(日)
希望園の変更・追加締切:12月5日(金)
結果通知発送:令和8年2月3日(火)
二次調整
受付期間:令和7年12月1日(月)~令和8年2月13日(金)
郵送・オンライン申請締切:令和8年1月30日(金)
希望園変更・追加締切:令和8年2月13日(金)
結果連絡:令和8年2月下旬
出生前申請
令和8年2月3日まで出生 → 4月入園調整対象
令和8年2月4日以降出生 → 5月入園調整対象
受付場所
児童保育課 保育相談係(区役所6階8番窓口)
対象施設(計69施設)
区立認可保育所:11
区立認定こども園:3
私立認可保育所:36
私立認定こども園:2
小規模保育所:11
事業所内保育所:2
家庭的保育事業:4
※区立三筋保育園は令和10年度から約2年間、台東小島ビルに仮移転予定。
入所基準の一部改定
加点対象の新設
① 保護者が障害者手帳等を所持している場合:
- 双方該当:+4点
- 片方該当:+2点② 申請児童本人が「医療的ケア児保育可」と判断された場合:
- +15点適用時期
令和7年11月利用開始分の審査から適用。
期待される効果
障害のある保護者や医療的ケア児を抱える家庭への入所支援強化。
保育所利用調整における公平性と適正性の向上。
乳児等通園支援事業(こども誰でも通園制度)について
概要
すべての子どもの成長を応援し、保護者の働き方やライフスタイルに関係なく利用できる支援を強化するために創設。
就労要件を問わず、月一定時間まで柔軟に利用できる制度。
令和7年度に「乳児等通園支援事業」として認可事業化、令和8年度から「乳児等のための支援給付」として全国で実施。
台東区では余裕活用型(保育所等の空き定員を活用)で実施予定。
背景
子育て家庭への普遍的な支援を実現する国の施策として位置づけ。
保育所に入所していない乳幼児の健やかな成育環境整備と、保護者支援の強化を目的とした全国的な制度導入。
国基準に基づく条例整備が求められており、台東区では独自基準を一部適用(例:乳児室1人あたり3.3㎡以上)。
期間
事業開始予定:令和8年4月。
利用対象:保育所等に通っていない0歳6か月~満3歳未満の児童。
利用可能時間:月10時間(内閣府令で規定予定)。
期待される効果
就労状況に関係なく誰でも保育サービスを利用できる環境整備。
子どもの健やかな育ちを支えつつ、家庭の多様なニーズに対応。
保育所等の空き定員を有効活用し、柔軟な支援体制を構築。
今後のスケジュール
令和7年9月下旬:事業者への実施希望確認。
令和7年11月1日:条例施行、認可申請開始。
令和7年第4回定例会:確認基準条例の制定議案提出。
令和8年3月:事業所認可、予約受付開始。
令和8年4月:事業実施開始。
保育所等における物価高騰への支援について
概要
台東区は令和4年度から保育所等に対して物価高騰への支援を実施しており、令和7年度も東京都の「保育所等物価高騰緊急対策事業」を活用しながら支援を継続。
目的は、光熱費や食材費の負担軽減を図り、施設が安心して保育運営を行えるようにすること。
支援の内容
私立認可保育所、地域型保育事業、認証保育所、私立認定こども園
児童1人あたり月額 864円(光熱費・食材費)病後児保育事業
児童1人あたり日額 35円(光熱費・食材費)認可外保育施設
1施設あたり月額 13,000円(光熱費・食材費)区立認可保育所、区立認定こども園
児童1人あたり月額 468円(食材費)私立幼稚園
児童1人あたり月額 812円(光熱費・食材費)民設こどもクラブ
1施設あたり月額 3,000円(光熱費)一時預かり事業
児童1人あたり日額上限 35円(光熱費・食材費) ※施設により異なる
実施期間
令和7年10月 ~ 令和7年12月
予算額
13,381千円(約1.3億円)
期待される効果
施設の運営負担を軽減し、保育サービスの安定的な提供を確保。
保護者・地域への影響を抑え、子育て環境の安心感を高める。
放課後対策事業運営事業者の選定結果について
概要
放課後子供教室・こどもクラブの運営事業者を公募により選定。
書類審査(一次)とプレゼン・ヒアリング(ニ次)の2段階で実施。
北上野・上野小は株式会社セリオ、谷中小は特定非営利活動法人放課後NPOアフタースクールが優先交渉権者として選定。
選定経過
公募期間:令和7年3月28日(金)~5月8日(木)
審査期間:令和7年5月22日(木)~7月16日(水)
選定方法:
一次審査(書類)で各事業3者程度を選定。
二次審査(プレゼン・ヒアリング)で優先交渉権者を決定。
審査結果(主要数値)
① 北上野こどもクラブ(事業者継続)
優先交渉権者:株式会社セリオ(大阪市北区)
応募6者 → 一次で3者落選
総合得点(600点満点):セリオ 516点(86.0%)、A社 469点(78.2%)、B社 436点(72.7%)
② 上野小学校放課後子供教室(事業者継続)
優先交渉権者:株式会社セリオ
応募3者
総合得点(600点満点):セリオ 532点(88.7%)、C社 429点(71.5%)、D社 416点(69.3%)
③ 谷中小学校放課後子供教室(事業者継続)
優先交渉権者:特定非営利活動法人 放課後NPOアフタースクール(東京都文京区)
応募5者 → 一次で2者落選
総合得点(600点満点):放課後NPOアフタースクール 503点(83.8%)、E社 481点(80.2%)、F社 400点(66.7%)
今後のスケジュール
令和8年4月:事業運営開始
令和8年4月こどもクラブの利用申請について
概要
令和8年4月利用開始に向けた「こどもクラブ」の申請手続きについて整理したもの。
通常受付と休日受付を設け、電子申請やクラブ窓口での申請が可能。
周知は広報紙・公式サイト・SNS・学校を通じて行う。
利用申請受付
通常受付
受付期間:令和7年11月1日(土)~12月15日(月)
申請方法:
① 電子申請(LoGoフォーム)
② こどもクラブ窓口での申請受付場所:利用希望のこどもクラブ
受付時間:月~土 9:30~18:00(民設こどもクラブは10:30~18:00)
休日受付
日時:令和7年12月14日(日) 9:00~17:00
場所:区役所6階⑦番窓口(児童保育課 放課後対策担当)
周知方法
広報「たいとう」11月5日号
区公式ホームページ、たいとうメールマガジン、区公式X、区公式LINE
区立小学校の就学時健康診断通知で新1年生保護者に案内
今後の予定
令和7年10月:利用案内配布開始
11月1日~12月15日:申請受付
令和8年1月中旬~2月上旬:利用審査
2月中旬:審査結果通知発送
3月上旬:各クラブで説明会
4月:利用開始